
我が街のシンボル。
自転車で5分ほど走ると、隣を流れる荒川から水を引いたボート場がある。
ここは東京オリンピックのために整備されたボートコースで、
街にはオリンピック道路と名のついた道もあるけれど
自分がここに来るのはオリンピックの少し後の話。
両親共働きだったためか、日曜になると親父に連れられて
水路つながりにあるボートレース場に来た。
そこが何をするところか、当時の自分にはよくわからなかったとは思うが
なんだか殺気だっている場だというのは子供ながらに感じたし
あまり良いイメージではなかっただろう。
自らすすんで来たくないが、選択肢はないので仕方ない。
水の上につなげたドラム缶を浮かべただけの橋を渡るのがむちゃくちゃ怖かったし
大体ここに来ると必ず迷子になるのだ。
レースの合間に人がわさわさと動くし、頼みの親父はレースの行方に夢中。
結局どうしようもなくてカギのかかった車に戻り、喉が渇いたとか言ってくる弟の面倒を見るだけなのだ。

それから数年が経ち。仲間内で釣りが流行した。
始めのころは、近所の田んぼだか池だかわからない水たまり的な所での
ザリガニ釣りで満足していた私を含む近所の仲間は
やがて「遠征」と称して自転車で漁場を目指すようになった。
そんななか、「ボート場のダボハゼがすごい」という噂はすぐに耳に入り
当時隣町に住んでいた我々は、日曜になるとここに入り浸るようになった。
「たくさん釣ったら焼いて食おうぜ」などと言い出すやつが必ずいたが
本当に焼くわけではなくて、ハンター風な野性的シーンに憧れていただけだと思う。
などというようなことを思い出したのは「釣り禁止」の立て札を見たからだ。
ここは都内含め関東近辺の大学や高校のボート部連中が練習する大切な場で
場合によって釣り針は危険なものなのでまぁわからないでもない。
でもちょっとつまらない。あの頃ここにいた今の親父連中も、息子と一緒に釣りできないのか。
ボートが作る斜めの波をぼんやり眺めて思った次第です。




















